
都市を巡り、庭を繋ぐ
学部三年 設計製図ⅢA 第二課題
機能:小学校
敷地:東京都千代田区九段下
規模:7000㎡
自分の出身小学校の自分の出身小学校の30年後のすがた「Hyper School」を考える設計課題。
皇居のそばの敷地で、皇居周縁が校庭となるような小学校を、地形に埋め込む形で設計をした。






ロラン・バルトは著作『表徴の帝国』の中で皇居について
「いかにもこの都市は中心をもっている。だがその中心は空虚である」
と述べている。しかし、空虚がゆえに、その周縁にはポテンシャルがあると私は感じる。
サッカー部時代に毎週皇居の周りを走っていたときに、皇居周縁に歴史的、文化的な風景が集まっている
ことに気づいた。そこで、子供たちがこの日本一贅沢な皇居周縁の風景を巡っていき、
そこから学びを得るための起点となる学校を考えた。




周辺には学校が数多く存在するが、どの学校の校庭も地形や道路によって隔てられ、限られた広さしかない。
これらの校庭を学び舎を介して繋いでいくように、敷地にある段丘上の地形に学び舎を埋め込むことで、
校庭を都市へと広げていく。

子供たちは、この地形の学校の中を巡るように学校生活を送る。教室で授業を受け、教室の間のオープンスペースで
読書をし、階段に座ってご飯を食べ、廊下を駆け回り、庇の下で準備をして校庭へ遊びに出る。
地形のドームの中の礼拝堂では聖歌が響き渡り、斜面は音楽室の野外ステージとなる。
それぞれの活動は学校内で連続的に繰り広げられていく。





繋がれていった校庭は都市へと接続し学校の中を巡る学びが都市へと広がり、学校は皇居周縁を巡る拠点になる。
